単品通販企業なら、知っておくべきCPOの考え方!CPOの目標値の決め方と実際の広告費投入の判断方法

単品通販企業なら、知っておくべきCPOの考え方!CPOの目標値の決め方と実際の広告費投入の判断方法

こんにちは。ティーダイレクトの権丈です。

今回はCPOについて書かせていただきます。
最後までお付き合い下さい。

 

CPOとCPA

CPOとはCost Per Oder の略で、「一注文あたりの費用」となります。単品通販においては「新規顧客一人獲得当たりの広告費」という意味で使われるのが一般的です。またECにおいてはCPA( Cost Per Acquisition 「一獲得あたりの費用」)もほぼ同義で使われることがあります。

ただし、CPO・CPA共に似たような言葉のため、色んな使い分けをされる場合があります。

・CPO:基幹システム上の新規顧客1件あたりの費用、CPA:ECシステム上の新規顧客1件あたりの費用
・CPO:本品購入顧客1件あたりの費用、CPA:トライアル購入1件あたりの費用といった具合です。

いずれにしても通販事業者毎に定義が異なる言葉ですので、支援事業者の方や転職をされた場合はご注意ください。本著においてはCPOもCPAも同じものとして「基幹システム上の新規顧客1件あたりの費用」の意味で使用いたします。

 

CPOが大事な理由

多くの単品通販事業者は「新規顧客の獲得は赤字で、2回目以降のリピート購入で黒字にしていく」というビジネスモデルを採用しています(広告費を投入し赤字になった時点から、その赤字が黒字に転換するまでの期間を投資回収期間と言います)。そして新規顧客一人あたりの費用や売上を指標として数値化したものが、CPOやLTVなどのKPIになります。

CPOは初回購入時の赤字の程度を、LTVはリピート購入での黒字の程度を示すことになります。なかでもCPOは広告費(媒体費)の投入という短期的な施策の上、一時的に損失を出す行為のため、小規模事業者であればキャッシュフローに直結しますし、中規模以上の事業者でもPLに直結します。そしてどの程度の赤字幅ならば許容できるのかを計ることで広告費の実施可否を行うことは、経営層においても現場においても重要な判断対象となるためCPOは重要視されているのです。

 

CPOの目標値の妥当性

次にCPOが大事なのは分かりましたが、実際にどの程度のCPOならばOKと言えるのかをどのように決めるのでしょうか。これは通販の支援事業者の方々だけでなく、通販事業者の方からもお問い合わせをいただくことがあります。

まず考え方としてですが、リピートの黒字の程度が変わらないのであればCPOは低ければ低いほど良いものです。

例えば1回の広告出稿に対する新規顧客からの売上だけで黒字になるのであれば、CPOの目標値の設定は必要ないかもしれません。ただし現実としてCPOを低いまま広告費を運用することが難しいため、どの程度の赤字を許容するかの判断が必要になるのです。

次にどうやってCPOを決めるかと言いますと、いくつかのケースに分かれます。

①キャッシュフローが重要なケース

投資回収期間を半年以内に抑えたいため、取り扱っている商品の価格や購入サイクルにもよるのですがCPO5,000円~8,000円以内が目標になることが多いです。

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②当期のPLが重要なケース

期を通して平均的に広告費を分散すると、投資回収期間6.5ヶ月以内でないと売上は増えても当期の利益は増えません。ですが、期初に広告費を集中させると投資回収期間1年以内であれば当期の利益を増やすことができます。

したがって毎期の増収増益を目指す事業者にとっては投資回収期間1年以内となるCPOが目標値になります(8,000円~15,000円程度になることが多い)です。

同じCPOで運用できる場合、継続率や受注単価(LTV)が同じならば早いタイミングに広告費を集中させた方が当期の売上・利益は増える。

同じCPOで運用できる場合、継続率や受注単価(LTV)が同じならば早いタイミングに広告費を集中させた方が当期の売上・利益は増える。

③数年単位のPLが重要なケース

規模も大きく成熟した事業者になると、業績規模の維持が重要になってきます。過去実績から既存顧客が減少する人数を算出することが可能になるため、業績維持に必要な新規顧客数を特定することができます。

また既存顧客からもたらされる利益も算出可能になり広告費として使える金額も特定できるため、この2つからCPOを算出するようになります。この方法で算出したCPO目標は事業規模によるのですが15,000円以上になることも多々あります。

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CPOの目標値と実際の広告費投入の判断

さて、CPOの目標値を決めたら広告費の投入を行う訳ですが、実際問題としてなかなかCPOを思うようにはコントロールできることは多くありません。

例えば目標のCPOは8,000円だけれども実際は10,000円になってしまっている、という感じです。ではこの例において考えると、CPOを8,000円にするために広告費を削減した方が良いのでしょうか、それともCPO10,000円のまま広告費を投入した方が良いのでしょうか。

私の見解としては、極めて厳しい資金繰りの中で頑張っている場合を除くと、少しくらいCPOが悪かったとしても、そのまま広告費を投入することをお勧めしています。

理由は「新規顧客を獲得するための広告費を投入しなければ継続的に売上が増える事がない」からです。一部休眠顧客の掘り起しなど、新規顧客獲得以外に売上を増やせる方法はありますが、継続的に売上を増やし続けることはできません。金融資産などの購入をするならば別ですが…

また、CPOの良いクリエイティブが開発できたらまとめて広告費を投入したい、という話を聞く場合もありますが、前述にありますように広告費を期初にまとめると当期の売上が増えることの反対に広告費の投入を後送りにすると当期の売上は下がります。色んな考え方がありますが、単価4,000円前後・1ヶ月サイクルの定期商品の場合、1ヶ月広告費投入を遅らせることはCPOに換算すると300円程度損をしていると言える計算をすることもできます。

 

CPOの動き方の癖

広告費を運用していくとCPOはまるで生き物のように変動していきます。ですが、実際にはある一定の法則に沿った動き方をすることになります。逆にCPOの動き方の一定の法則を知る事で「では何をするべきなのか?」を的確に捉え事業運営に結び付けていくことができれば、CPOなど怖くなくなります(重要なのは変わりませんが)。

①広告費の投入額が増えるほどCPOは悪化していくが、二重の鋸型を描く

新規顧客獲得の担当者はあらゆる手段を用いてCPOの悪化を防ごうとします。ですが、メディアの選定や調達コストの見直しやクリエイティブのブラッシュアップ程度では劇的にCPOを改善することはできません(小さい下げ幅)。これらの手段でCPOが改善したとしてもすぐにまた悪化をすることになります。

ただし、従来のものとは別の新商品がヒットするときや、これまでWEBしか使っていなかった事業者がTVで成功するというような新しいチャネルが開発されるときには大幅にCPOが改善されることがあります(大きい下げ幅)。ですが、再びジワジワ悪化していくことになります。

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②CPOの悪化曲線

CPOは広告費が分子で新規顧客数が分母です。CPOが変動する場合、分母が変動することになりますので、曲線を描くことになります。CPOは悪化する際には徐々に悪化の幅が大きくなるのです。

例えばCPO5,000円の広告があったとします。ここからレスポンス率が半分になるとCPOは10,000円となり2倍になります。次にCPO10,000円の状態からレスポンス率が更に半分になるとCPOは20,000円になります。割合で考えると、どちらもレスポンス率が半分になりCPOが2倍になっている訳ですが、CPOの悪化金額で考えると前者は5,000円、後者は10,000円となり、後者の方が2倍悪化していることになります。

当たり前のことを書いているだけなのですが、実はここに落とし穴があり、広告費の赤字を埋めるためのLTVは5,000円改善することと10,000円改善することとでは全く難易度が違うのです。これはCPOが高くでもLTVも高いから広告費を投入できる、というビジネスモデルの単品通販事業者がほんの数か月で一気にCPOが悪化し、広告費を投入できなくなり、業績も短期間で悪化してしまうパターンで見られます。

かといって低CPOだから低LTVでも大丈夫というビジネスモデルの場合でも、元々低いCPOを更に低くするためにはこれまでよりも大きな割合でレスポンス率を改善する必要がありこちらも大変です。

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CPOの悪化を防ぐためには、通常の業務の中で改善活動を行いつつ、少しくらいCPOが悪化をしても広告費の投入を続けた方が良いのですが、CPOが急激に悪化し始める一定ラインを超させないために新商品や新しいメディアの開発も粛々と行い続ける必要があります。

今回はCPOについて書かせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。

会社が大きくなるにつれて、獲得しなければならない新規顧客の数も増えていくため、CPOのコントロールは非常に重要です。商品・メディア・クリエイティブにおいて現状の延長のみで戦い続けようとすると、遅かれ早かれ必ず限界が訪れます。そうならないように新しいアイデアを外部任せにせずに社内体制を構築することをお勧めしています。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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