通販の商品開発は受託製造メーカーに任せちゃダメ!

株式会社オプティマ製薬の白土裕と申します。

オプティマ製薬では、私自身が健康食品の単品リピート通販事業を経営し、5年間で0円から年商30億円を達成した経験を元に、その中で培った「生」の通販ノウハウを活かした通販支援サービスを行っております。

特に弊社が得意としているのが「通販企業向けの健康食品・化粧品の企画開発」です。

 

商品開発を任せっぱなしにできる時代は終わりました!!

商品開発は、通販企業にとって最もコアとなる部分でありながら、ほとんどの企業が受託製造メーカーなどに「任せっぱなし状態」にしているのが現状だと感じています。

なぜか、「商品開発は専門家でないとわからないから…」と受託OEM企業に任せっきりにしてしまうからです。しかし、残念なことに、受託製造メーカーに任せっきりにして開発した商品を、そのまま売っていれば良いという時代は終わりを告げました。

現代は、言うなれば通販戦国時代。

大手メーカーを含めた数多くの企業が通販市場になだれ込んで来る中で、勝ち続けなければならないのです。そのために、あなたの商品には「低コスト」であることと、「強い訴求力」を持つことの両方が求められます。では、なぜ受託製造メーカーに任せっきりにしているとダメなのでしょう。

本稿の後半では、弊社が関わったトマトサプリのコスト改善事例をご紹介する予定ですが、まずは通販企業とOEMメーカーの間にある問題とはどんなものなのか、確認したいと思います。

 

通販企業⇔受託製造業者両社間にある問題点とは

(1)マーケティングを理解していない

OEM業者は、商品の製造に関してはプロですが、BtoCで商品を販売した経験に乏しく、基本的な通販などのマーケティング知識を知らないことが多々あります。

多くの受託製造メーカーは、「原料会社が売りたい原料」をそのまま提案してきます。
しかし、それがイコール消費者に受け入れられる商品になるとは限らないわけです。

レスベラトロールなどがその例。
確かに良い素材なのですが、消費者の認知は未だに低く、ヒット商品が一度も出ていません。でも、受託製造業者の提案を鵜呑みにして、商品化してしまった企業がたくさんあるのです。
 

(2)通販を理解していない

通販特有のビジネスモデルを理解していないと、通販で売れる商品を開発することはできません。

例えば、初回購入時にサンプルを配布し、次にDMやメールで定期便に引き上げる、という、いわゆる2ステップ商法が通販では一般的ですが、それをOEMメーカーは知りません。

2ステップ商法を成功させるためには、お客様が使って、すぐにその商品の実感を得られることが重要です。そのために、サプリの場合だと、カプサイシンの発汗作用を利用して最初の実感を演出する、などのテクニックが必要です。
 

(3)コスト意識がない

これが一番の問題かもしれません。なぜかOEMメーカーは平気で原価率30%の提案をもってきます。

通販は、売上の50%が広告費で消えるビジネスモデルです。そこからさらに人件費・インフラ費・販管費等が引かれるわけですから、通販の原価率は、はっきり言って低ければ低いほど良いのです。

「セサミン」などのヒット商品を持つサントリーウェルネスの原価率は12%です(週刊東洋経済より)。資本力のある大手企業がこのレベルなのです。
商品原価率はぜひ10%以下を目指すべきです。

しかし、通販ビジネスモデルの損益構造を理解してくれているOEMメーカーは少なく、また、通販企業も「良いものを作るためにはお金をかけないとだめなんじゃないか」と素朴に信じているのが現実のようです。
 

(4)情報素材が集まらない(画像、ストーリー、論文etc…)

最後が、情報素材です。
通販はランディングページ(LPとも呼ばれる)で商品を販売されることが多いですが、そこでお客様の購買行動を決定するのは、その商品に関する情報です。

情報素材をいかに多く集め、緻密に作りこむかが、その商品が売れるかどうかを大きく左右するということがお分かりいただけると思います。

しかし、受託製造メーカーから提供される情報素材は、せいぜい原料の画像程度(それも、解像度が低く、ランディングページには使えないレベルのものがほとんど)です。

結局、しっかりと商品の良さを伝えるための素材を用意できないまま、他社との差別化ポイントを見出せていない、冴えないLPで販売している企業が多くなってしまっているのです。

情報素材として考えられるものは以下のようなものが考えられます。
これらを、受託製造業者が用意してくれない場合、自社で用意しなければなりません。素材は、あるものを探すというより、「作る」ものであると認識すべきかもしれません。
 

商品の良さを伝えるために用意したい5つの情報素材

画像素材
普通の写真ではなく、LP上で「シズル感」を出せることが必須条件。

シズル感:みずみずしさとも言う。英語の擬音語で、肉を焼く時のジュージューいう音のことをシズル(sizzle)という。マーケティングなどでは、商品は特徴を売るのではなく、シズル感を売れと言われることも多い。

産地素材
生産者を特定し、取材しに行き、想いを語ってもらい、写真を撮らせてもらうところまで必要。

栄養成分データ
「プルーンの●●倍の鉄分」など、何が、何と比べて、どのくらい優れているのかを示す内容が必要。

試験管実験画像
例えば、発泡性の商品であれば、ビーカーの中でブクブクと泡立っている画像など、ビジュアルで商品の良さ・面白さを見せられるものが必要。

安全証明
農薬検査の資料などが、お客様の安心につながります。
もし資料がなければ、試験を実施することが必要。

以上、長くなってしまいましたが、通販の商品開発における、受託製造メーカーに依存していることが原因で起こっている問題点を4つ指摘させていただきました。

通販企業は、こうした問題を早急に解決することを迫られています。
そうしないと、競合他社が激化する通販市場の中で、生き残れないことになってしまうのです…。

 

通販商品の原価率を劇的に下げた事例:あるトマトサプリのケース

問題が多いことは逆にチャンス!?

問題点ばかりを挙げてしまいましたが、逆に言うと、問題点が多いということはチャンスでもあります。そうした問題点はほとんどすべての通販企業が抱えているので、それをクリアすることで、他の通販企業に比べて、原価率が低い=損益構造が良く、広告訴求力が強い=CPOが低い、商品の良さをしっかり説明できている=LTVが高い、という結果を導くことができるのです。

ここで、弊社が取り扱った原価率引き下げの事例を挙げて、サプリメントの商品開発の要点を少しだけ紹介できればと思います。

原価率27%のトマトサプリメントが…

ある通販企業(A社とします)は、トマトエキスを使ったサプリを販売していました。
しかし、そのサプリはトマトエキスを大量に配合しているため、販売価格が3,900円なのに対し、原価は1,054円(27%)。原価率が非常に高く、思うように利益を上げることができずにいました。では、この商品の改良に、実際にどのように取り組んだのでしょうか。
 

ファーストステップ:受託製造工場の選定

A社から依頼を受け、このサプリメントの改善に取り組むことになり、最初に注目したのは、どの受託製造工場を使うか、ということでした。

サプリメントは、どの工場で作っても同じ価格でできるというわけではなく、工場ごとの設備、資材、原料在庫、スケジュールの混み具合、などにより価格が変わります。

なので、サプリメントの製造工場を選ぶときは(化粧品も同様ですが)、徹底した相見積もりを行い、価格・品質・納期面で最適な工場を選ぶことが重要となります。

このケースの場合、まずOEM工場を変えるだけで、価格が大きく下がり、956円になりました。この時点で98円のコストダウンができました。
 

セカンドステップ:主成分の産地を変える

次に注目したのが、主成分の産地でした。
このサプリメントの主成分はもちろんトマトのエキスだったのですが、産地を調べると、「イスラエル産」を使っていることがわかりました。
イスラエル産…と聞いて、これは絶対に変えなくてはならない、と思いました。

なぜかというと、どう考えても、生産量の低いイスラエルのトマトエキスが一番安いエキスであるとは信じられなかったからです。しかし、受託製造業者に対し、もっと安い原料を探してくるように頼んでも、これ以上安いものは出てこない、と言われてしまいました。
 

イタリア産トマト原料を発見!原価率がなんと14%へ…

そこで、次にメスを入れたのは、その受託製造業者が仕入れている原料商社、でした。
聞いてみると、大手の原料商社から買い付けているため、仲介となる業者が何社か入っており、マージンが不必要に乗っているようでした。複数の仲介業者が入っているのであれば、価格が高いのも仕方ありません。

そもそも、その原料商社は、いわゆる「健康食品」の原料商社であり、一般的な食品の商社ではありませんでした。トマトは広く普及している食品です。そこで、通常の「食品」を扱う商社を何社か指定し、改めてトマトエキスを探してみてもらいました。

すると…受託製造業者が「イタリア産トマトエキスがありました!」という連絡をくれました。この時点で、イスラエル産トマトエキスを使うより大きく価格ダウンすることに成功し、原価は607円まで下がりました。原価率14%です。

 

まだ諦めない!中国産トマト原料を意地でも探す

しかし、それでもまだ私は諦めることができませんでした。
イタリアは、確かにトマトのイメージがありますが、実はトマト生産量は世界で10位に過ぎません。イタリア産トマトより安いトマトを探せるんじゃないだろうか…という思いが消えなかったのです。

しかし、ここで受託製造業者も、商社も、音を上げてしまいました。
「これ以上安い原料は探せません!」と言うのです。

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私は、自力で原料を探すことを決めました。まず、調べたのは世界各国のトマト生産量です。
すると、中国が世界の40%ほどを生産していることがすぐにわかりました。
「なら、中国産原料を探そう」と決めました。私は中国語ができるわけではないので、中国のトマト業者を探すのは少し困難を伴いました。
 

インターネット上で、トマトを多く扱う食品業者の取引先を徹底的に調べる

私が選んだ方法は、日本でトマトを多く扱う食品業者の取引先を調べる、という方法でした。
日本でトマトの扱いが多い食品企業というと、カゴメ、デルモンテなどが浮かびます。それらの企業に関する記事やIR資料など、インターネット上で収集できる情報を徹底して集めました。

すると、カゴメもデルモンテも取引をしている、中国でトマトを専門に加工している食品加工業者が見つかりました。その企業は年商1,000億円以上の巨大企業で、品質面も安心できそうでした。

私は中国語ができませんが、すぐに英語でメールをしてみました。
「Can I buy your tomato?」思いがけず、すぐに返信はありました。そして何度かやりとりをした結果、トマトエキスを直接売ってくれる、ということになったのです。

その会社のトマトエキスを使った場合の原価は、517円です。
ようやく、原価率12%までたどり着きました。

 
いかがでしたしょうか。
サプリメントを作ろうと思ったら、このぐらいこだわって原料を探す必要が(毎回ではありませんが)あるのです。

そのままにしていたら1,054円だったことを考えると、517円という価格は半額以下。
当然、利益も出やすくなり、広告費にも余裕を持つことができます。
このぐらい、商品開発はこだわりがいがある、ということです。

今回は原料から見た商品原価率改善の事例を深堀りしてお伝えしましたが、次回は商品開発の手順と訴求力アップのテクニックをお伝えしていこうと思います。
ありがとうございました。

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