【リピート通販の数字戦略】数字から逃げている限り、あなたは儲からない!

【リピート通販の数字戦略】数字から逃げている限り、あなたは儲からない!

リピート通販で10億稼ぎたい。
そう考えるなら、最初やるべきたった1つのことがある。

それは、リピート通販の数字を理解することだ。

よく言われるように、通販は仕組みのビジネス。一度、儲かる仕組みを作ってしまえば、あとはベルトコンベアに部品を乗せていくように、勝手に利益が積み上がっていく。

しかし、10億未満の通販企業においては、そもそも数字から逃げていることが少なくない。

「なんとなく儲かっているように思うけれど、なぜ儲かっているのか説明できない」
「1年広告を回してみて、改めて調べてみたら赤字だった」

かくいう弊社も、かつて毎月500万円近くの広告をかけていた商品が、よくよく調べてみたら赤字だったという悲劇を経験している(笑)。

だからこそ、今では数字の重要性についてお伝えする立場になっているわけだが、私たちのクライアントでも、初回~2回目のセッションでは必ず何らかの「ムダ」や「ムラ」が見つかる。なかには、「本来であれば手に入れていたはずの数百万円の利益をドブに捨てていた」というケースもある。

 

数字を取る2つのメリット

では、数字を取ることにはどんなメリットがあるのか?

たとえば、陸上や水泳のアスリートを考えてみよう。タイムを計らない選手がいるだろうか?おそらく、ゼロ人のはずだ。現在のタイムがわかるからこそ、目指すべきタイムがわかり、筋力トレーニングや、ランニングフォームといった改善に着手できる。また、医師であれば、血液検査やレントゲン検査を使って病因を特定し、オペ(手術)を行うだろう。

そう。数字とは、通販経営者にとっての聴診器であり、レントゲンであり、MRIなのだ。経営者は、数字によって経営課題を特定し、改善というオペを実施できるようになる。

そして、信じられないかもしれないが、数字は「ただ計測するだけで」改善される性質を持っている。なぜかといえば、経営者という生き物はすべからく上昇志向だから。経営者は、数字が悪ければ、改善したくなる。改善したくてウズウズする。もちろん、スタッフも、毎日悪い数字を報告することはできない。なんとか改善しようと考え、数字を意識しながら行動するようになる。

そこで、あなた通販数字力をチェックするために、ある実際の会話を用意した。
あなたはこの会話の“間違い”に気づけるだろうか?

Aさん「ウチの会社は、ランディングページから初回購入者の40%が定期便を購入するんだよね。で、定期便の人が1年間にもたらす売上は20,000円。だから、平均CPA(顧客獲得コスト)が10,000円でも利益が出るんだ」

この場合、CPA10,000円で利益が出るとは言い切れない。なぜなら、定期便を買わなかった残り60%の顧客が全体の売上を押し下げているからだ。

もし仮に、残り60%の顧客の年間売上が1,800円だったと仮定しよう。すると、顧客1人あたりの売上は9,080円になる。つまりCPA10,000円では赤字である。

 

アクションが取れる数字が満たす4つの要素

では、何でもかんでも数字を取ればいいのか?

もちろん、答えはノー。
数字は、ただ取ることが目的ではなく、なんらかのアクションを取るためにある。したがって、正しい数字は以下4つの要素を満たす必要がある。

①日次、週次、月次でわかる

たとえば、広告運用に関して言えば、月次集計では遅すぎる。通販では、顧客獲得の効率が1円でも悪化したら、即、なんらかのテコ入れをしなければならない。一方、決済関係の数字は月次でチェックすれば十分だろう。正しいサイクルで集計することが重要だ。

②内訳がわかる

たとえば、宅急便の未着による返品率が高かったとしよう。返品には二重の送料がかかるので、リピート通販企業にとっては死活問題である。そこで、未着理由の内訳を「住所ミス」「長期不在」「受け取り拒否」などに分解する。もし、住所ミスが多いとわかれば、受注時の住所情報取得に何らかの不備があるのかもしれない。このように、内訳を調べることで真の原因が見えてくる。

③プロセスがわかる

たとえば、顧客の年間リピート率が5.6回だとする。しかし、この数字からは何もわからない。そこで、「1ヶ月目から2ヶ月目のリピート率」「2ヶ月目から3ヶ月目のリピート率」というふうに、リピートのプロセスごとに数字を分解してみる。すると、具体的にどのプロセスに問題があるのかが特定できる。

④シンプルかつルーティン化されている

小さな個人、小さな通販企業にとって、時間は有限だ。集計の度に2時間、3時間もエクセルに向かっていては日常業務が回らない。したがって、なるべくシンプルで、経営者が何もしなくとも数字が上がってくる仕組みを作る必要がある。

 

あらゆるコストを、1顧客あたりに分解しよう!

では、リピート通販では、どのくらい細かく数字を取ればいいのか?

結論から言うと、1配送当たり、1顧客あたりにかかる全ての売上、コスト、利益を可視化する必要がある。

より詳しく説明しよう。おそらく、多くの通販企業が、LTV=(年間売上÷客数)と計算していると思う。しかし、前述したように、年間単位や月間単位では数字の「粒度」が粗すぎて、具体的な改善アクションに落とすことができない。

そこで、通販における最も小さな単位である「1配送あたり」「1顧客あたり」に分解し、あらゆる売上、コスト、利益を把握するのだ。

「でも、そんな細かい集計できないよ…」

そういった方のために、オプティマ製薬では「通販利益構造シート」と呼ばれるオリジナルのシートを開発している。このシートを埋めるだけで、重要なKPIの約8割を抑えることができる。

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※通販利益構造シートは、著作権により保護されています。著作権者の許可無く複製、無断転載、流用することを固く禁じます。

それでは、このシートの項目について、1つ1つ説明していこう。

各回価格

リピート通販は定期便ビジネスだ。そのため、初回価格、定期便価格、まとめ買い価格など、同じ商品でも購入タイミングごとに価格が異なるケースが多い。そこで、顧客が商品を買うタイミング(回数)ごとに価格を入力する。このシートでは初回価格が1,500円、2回目以降価格は3,980円となっている。

各回継続率(各回リピート率)

ある回から次の回に推移する割合(リピート率)のこと。たとえば、初回配送が100件、2回目配送が80件、3回目配送が56件の場合、計算は以下の通り。

・1~3回目継続率:80÷100=80%
・2~3回目継続率:56÷80=70%

各回生存率

初回配送を1(100%)としたとき、各回に生存(残存)している顧客の割合。先ほどの例でいえば、計算式は下記の通り。

・2回目生存率:80÷100=80%
・3回目生存率:56÷100=56%

ちなみに、各回生存率を12ヶ月分合計すると、年間リピート回数になる。上記モデルの場合は12ヶ月生存率は403%(年間リピート回数は約4回)。

各回売上

各回価格×各回生存率で求める。
たとえば初回価格が1,500円、2回目以降の価格が3,980円の場合、

・1回目売上:1,500円×1回目生存率100%=1,500円
・2回目売上:3,980円×2回目生存率80%=3,184円

となる。

各回コスト

各コストの単価×各回生存率で求める。具体的には、以下の方法で単価を算出する。

・同梱物コスト=月間同梱物印刷費÷月間配送件数
・決済コスト=各支払い方法の手数料単価(クレジット、代引き、NP後払いなど)
・商品原価=現在発注しているロットにおける単価(化粧箱・フィルム代などを含む)
・コールセンターコスト=月間コールセンターコスト÷月間入電件数

※コールセンターコストは1配送あたりで計算しても、1出荷あたりで計算してもどちらでも可。ただし、紙媒体の顧客は、顧客1人に対して電話が最低でも2回(初回注文時と定期解約時)、Web顧客の場合は最低1回(初回注文時には電話が鳴らないため)なる計算になるため、オンラインとオフライン両方で顧客獲得している通販企業の場合は媒体別にコールセンターコストの比重を分ける必要がある。

・その他コスト=上記に当てはまらない全てのコスト(人件費+地代+インフラ+ASP費用など)÷月間配送件数

各回利益

各回売上-各回コストで求める。12ヶ月分の各回利益を合計すると、1顧客あたりの年間利益になる。キャッシュ・フローにもよるが、この項目が黒字になっていれば、経営状況はひとまず良好といえる。(ただし、広告費を再投資することを考えると、3ヶ月~4ヶ月目には累計利益がプラスになっている必要がある。)

以上が項目の解説だ。パッと読んだだけでは理解しづらいかもしれないが、1つ1つ解読して理解に落としこんでほしい。

なお、商品やオファーが複数存在する場合は、商品別、オファー別にシート作成をオススメする。

 

100%業績アップしてしまう秘密は…

さて、このシートを埋めると何が起こるのか?

まず、経営上の不安がなくなる。経営をコントロールしているという確信が得られる。なぜなら、自社のコスト構造、売上構造、顧客の動きが手に取るようにわかるからである。

そして、100%業績アップできる。
なぜなら、赤字を生み出している原因(ボトルネック)が明らかになるからだ。

では、どうやってこのシートからボトルネックを発見するのか?これまでのコンサルティング経験から言うと、特に以下のような問題が見つかるケースが多い。

【よくある症状】
・価格設定、オファーが間違っていた
・継続率が低すぎた
・利益が出ていると思ったが、赤字だった
・もっと高いCPA(顧客獲得コスト)でも儲かっていた
・コストが高すぎた
・有効だと思っていた施策が、無意味だった

なので、あなたも上記の視点から自社の数字を眺めてみてほしい。おそらく、1つ、もしくは複数の症候が読み取れるはずだ。

もし、問題を見つけた場合でも安心してほしい。アインシュタインも言っているが、何が問題かを特定できれば、問題の99%は改善できたようなものだ。ボトルネックがわかれば、あとは簡単。数字を改善するために1つか2つの打ち手を実行するだけで良い。

たとえば2~3回目の継続率が低いのであれば、同梱物やステップメール、ランディングページの初回接点になんらかの打ち手が必要になるだろう。また、継続率が良いのに利益が出ないとすれば、価格の値上げが必要になるかもしれない。

重要なのは、リピート通販はビジネスモデルが完成されているので、打ち手のパターンも十数種類しか存在しないということだ。したがって、改善策が見つからないことは滅多に無い。安心してほしい。

 

さらに上級者になるための数字を紹介

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先ほどの表を埋めるだけでも、8割の数字を抑えたことになる。しかし、「もっと上に行きたい。さらに業績を向上させたい」という方のために、発展的な数字(Key Performance Indicators)をご紹介する。

●コールセンターにおけるKPI
応答率、受注率、Cost per Call、稼働率、平均通話時間、フォロー率、各回抑止率、他

●物流におけるKPI
梱包ミス率、再配送率、配送方法内訳、その他在庫管理指標

●決済におけるKPI
入金率、支払い方法内訳、未払い理由内訳、入金サイクル、督促効果集計

●同梱物・ステップメールにおけるKPI
到達率、開封率、クリック率、CV率、定期継続率、レスポンス率、他

●CRMにおけるKPI
ポイント利用率、アンケート回収率、他

1つだけ約束するが、これらの数字を抑え、日々改善していけば、あなたの会社の業績は100%向上する。理由は、前述した通りだ。センスの良い経営者であれば、ただ数字を取るだけでも、業績アップのアイデアがいくつも湧いてくるだろう。ぜひ、今日から取り組んでほしい。

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