データベースマーケティングの基礎 – 費用対効果を明らかにするRFM分析とは

データベースマーケティングの基礎 - 費用対効果を明らかにするRFM分析とは

こんにちは。エスペラントの吉冨です。

今回は通販をされている方なら覚えておくべきデータベースマーケティングの基礎である「RFM分析」について解説していきたいと思います。

 

RFM分析って?

読者の中にはすでにRFMのことを知っているよ、という方もたくさんいらっしゃると思います。知っている方は復習だと思って目を通していただけたらうれしいです。

RFMとはそれぞれ以下の頭文字をとったものです。

R:RECENCY(最終購入日)
F:FREQUENCY(累計購入回数)
M:MONETARY(累計購入金額)

この3つを組み合わせて顧客の分析をする方法のことを指します。
それぞれ、

R…2年前に商品を買ってくださった顧客よりも、半年前に商品を買ってくださった顧客のほうが、購入する確率が高い

F…1年に1回しか購入してくれない顧客より、5回購入してくれる顧客のほうが、よりたくさん商品を買ってくれる可能性が高い

M…例えば1年間の間で、3千円しか使ってくれていない顧客よりも、3万円使ってくれる顧客のほうが再購入率が高い

という考えからRFMはできています。
要するに、お客様は

・いつ商品を買って
・どのくらいの回数商品購入をしてくれていて
・どのくらいの金額を使ってくれているのか

というこれらの内容を表(データベース)にして顧客の状態を明らかにしたものがRFMだということです。

 

RFMの中で必要のないもの

このRFMを実際に現場で使うときの注意点というか、必要のないものを先にお伝えしておきます。会社によって考え方は違うかもしれませんが、私が通販会社にいた時は、RFMのうちMは分析に入れていませんでした。なぜMが必要でないのかというと…

例:商品単価が3千円の商品があるとして、

A:累計購入回数が2回、累計購入金額が1万8千円

B:累計購入回数が5回、累計購入金額が1万8千円

という2つ顧客がいたとします。

会社にとってAとB、どちらがより大切な顧客になるでしょうか。
答えはもちろん、どちらも大事なんです…笑

どちらも大事なんですが、ここで注目していただきたいのは、累計の金額は同じであっても、購入回数が異なります。先ほどFの解説でも書きましたが、購入2回のお客様よりは5回購入のお客様のほうが、次回購入してくれる確率が高まるわけです。

購入金額は商品を購入する数によって変動しますが、購入回数は何個買おうがカウントは1です。つまり、金額を見なくても回数をみておけば、会社としてフォローを考えるのに十分な分析ができる、というわけです。

もちろん、月によっては2回3回と商品を購入されるお客様もいないわけではありません。使用頻度の高い食品であれば、同月内で複数回購入の確率があがりますが、健康食品や化粧品では食品よりも複数回購入する確率は、現実的には低いです。

補足として、金額は全くみないというわけではありません。どこかのタイミングでキャンペーンをうった時に、例えばセット販売をして、そのセットがどの程度売れたのかというのを分析するのに、金額をみることはあります。

あくまでRFM分析を使う場合、Mは必要がなく、RとFの違いで区分したグループわけをして、それぞれに応じた施策を考えるというのが、現場で使うには現実的な方法だということです。

 

RFMの目的

先ほどMは必要ないと書きましたので、ここからはRFとして表記します。

RFの目的は大きなくくりでいうと、どのお客様がどれだけの売上貢献をしてくれているのかを明確にすることです。既存のお客様に対してステップメールやメルマガしか送っていないという方も多いかもしれませんが、事業を大きく展開していくことを考えたら、DMやアウトバウンドというのは避けては通れません。

売上規模の大きい会社は、ある特定の既存チャネルだけに依存せず、複数の既存販促チャネルを使って顧客のフォローをしています。事業が順調に推移して顧客数が増えてきた場合、ただやみくもに全件対象でフォローをしても、金額とマンパワーがいたずらにかかることになり、費用対効果という点で確実にかけたコストに合わなくなってきます。

だからこそ、どのお客様が売上貢献してくれているのかを明確にすることが大切になってくるわけです。

この大枠の目的を踏まえた上で、今度は、どのお客様が貢献をしてくれているのかという細かな点をみていかなくてはいけません。

そのためには、

・顧客の区分を分ける
・区分分けされた顧客別のフォローをする

という視点が重要になってきます。

 

顧客の分類と期間および回数の考え方

表を見ていただくと、タテ軸にR1、R2と期間があり、ヨコ軸にF1、F2と回数があります。R1というのは今の時点から1か月前に購入をしてくださったお客様です。以降、R2、R3と下に行くほど購入期間が離れていっているということです。

Fも考え方は同じです。F1があり、右にいくにしたがって購入回数が多くなるということです。続いて、各顧客区分の名称の意味です。

・新規客…お試し、本商品問わず、自社で初めて商品を購入されたお客様
・準継続客…2回以上購入していただいたが、まだ購入回数が少ないお客様
・継続客…継続的に購入をしてくださっているお客様で、かつ、優良客になる見込みのあるお客様
・優良客…自社の売上に大きく貢献をしてくださっているお客様
・準新規客…1回しか購入がなく、かつ、Rが離れているお客様
・休眠客1…2回以上購入をしてくださっていたお客様で、かつ、購入回数が少なくRが離れてしまっているお客様
・休眠客2…継続的に購入をしてくださっていたお客様で、かつ、優良客になる見込みがあったのに購入がなく、Rが離れてしまったお客様
・優良休眠客…優良のお客様だったのに、離脱をしてしまったお客様

通販会社からよくいただく質問で群を抜いて多いのが、

1.顧客区分は何回の購入で分けたらよいですか?
2.休眠客はどの期間から休眠になるんですか?

の2つです。

1.購入回数による顧客の区分け

新規客は1回しか購入していないわけですから、この区分けはすぐにできます。
続いて準継続客の定義ですが、様々な通販会社の数字をみていますと、3回もしくは4回目まで購入してもらえれば、その後の継続が続きやすくなる傾向が強いです。3回か4回のどちらが続きやすいかは、定期のしばりを入れているとか、フォローの内容や接触回数によって、会社によって微妙に違ってきます。そのため、3回か4回のどちらかになるかは、社内で数字をみて判断していただけたらと思います。

継続客と優良客の違いですが、

・継続率が高い状態で推移する(見方を変えれば、あまり離脱しない)

上記の回数がどこで分かれているかを判断材料にされるとよいです。

2.休眠

顧客全体で考えますと、1年以上(R12)購入がないお客様を、休眠としている会社が多いです。これはここ十数年変わっていない休眠の概念です。

あくまでこれはものさしのひとつですから、継続客と優良客の違いのところでも書いたように、購入するお客様が極端に減る期間がどこかをみつけて、そこを休眠の定義とするのが賢明です。もし、あまり差異がないということであれば、最初は1年で仮定義をしておき、随時分析をしていくうえで、自社に最適な休眠期間を割り出してもらえればOKだと思います。

休眠期間の話のついでに、準新規客の考え方についてお伝えします。

新規購入の段階から「初回定期」というモデルが増えてきたことで構造が崩れつつありますが、それでも通販全体でみると、新規の離脱客がどの顧客区分よりも圧倒的に多いです。これを回避するためには、新規客の段階でできるだけフォローをすることが必要になってきます。

目安としては初回購入時から2か月ないし3か月の間は、可能な限りフォローをしていただきたいと思います。

フォローとは

・メール
・DM
・アウトバウンド

の3つを指します。

メールだけしかやっていなければ、DMを1回でも送る、アウトを1回はするというように、接触回数を増やすということが大切です。初回購入から2か月ないし3か月以内の間に、メール以外の接触を最低でも2回は実施されることをおススメします。

ですが、フォローすることが大事なのはわかってはいるものの、どんな内容にすればよいのか考えがまとまらず、フォローしていないという会社様が現実的に多いです。

その時にお伝えしているのが、「極端な話『お元気ですか?今この商品すごく人気なんですよ』という手書きのものを送るだけでもいいです。内容はともかくとして、まずは接触することが大事なので、送ることを優先してください。」ということです。

ここでは、送る内容物そのものよりも、回数を重視したほうがよいということを覚えておいていただけたらと思います。

 

RFMの問題点?

何年か前からRFM分析には問題点(欠点)があると言われています。どんな問題点かというと、RFM分析ではいいお客様だけをフォローすることになり、分析手法として使えないというものです。

ただこれは、効率のよい(利益が出る可能性の高い顧客群)ところだけを抽出し、そこだけにフォローをしたことによっておこった弊害です。決してRFMがダメだということではありません。

「顧客の分類と期間および回数の考え方」のところでも書いたように、顧客の分類をして、

・どの層で収益が出ているのか
・どの層が費用対効果に合うのか
・どの層が費用対効果に合わないのか
・どの層に力を入れてフォローをするか

これらの点について仮説を立てて結果を検証し、また仮説を立てるというPDCAサイクルをまわすことは十分に可能です。つまり、見るべき数字をしっかりとみていれば、どんな分析手法を使おうが、手法として有効になり得る、ということです。

大事なことは、どんな手法を使うかではなく、顧客の分析をするのに数字が出せる&見えるものなのかどうか、で判断をすることです。世の中にはRFM以外でも分析手法はあります。そういった『分析手法』に振り回されず、会社が意図する数字分析ができるかどうか、という視点で判断していただきたいと思います。

繰り返しになりますが、RFM分析でも十分に分析が可能ということを、ぜひ理解していただきたいな、と思います。最後に、RFの表を参考に入れていますので、その表に実際の自社の数字を入れて管理をしてみてください。

ここまで書いたことをまとめますと、以下のようになります。

・RFMはどの顧客が収益をあげて、どの顧客が収益が出ていなくてという、フォローをしていくにあたっての費用対効果を明らかにするもの

・費用対効果を明らかにすることで、どの層にアプローチすると収益が具体的にいくら出るか、費用対効果の悪い層は、何回までフォローをするか、いくらの金額をかけてアプローチするかの予測が立ちやすくなり、既存販促の効率が少なからず上がること

・各顧客層別にアプローチをしていくことで、仮説検証を繰り返しながら、既存販促のパフォーマンスを上げること

今回書いたRFMの基本的な考え方をベースにして、ぜひ自社の既存販促での効率化をはかっていただきたいと思います。

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