モンスタークレーマーに屈しない!ネット通販の苦情・クレーム対応[基本編]

モンスタークレーマーに屈しない!ネット通販の苦情・クレーム対応[基本編]

近年、お店のスタッフが顧客に土下座をさせられた事件が、テレビや新聞で話題になりました。ネット通販でも、モンスタークレーマーに不当に金品を要求された被害も報告されています。

クレーム・苦情への間違えた対応によって、「炎上」を引き起こさないためには、どうすればよいのでしょうか?苦情・クレームの原因や、具体的な対処方法を見ていきましょう。

 

モンスター・クレーマーを“育ててしまう”社員

ネットショップの経営者・オペレーター・担当者は、顧客の顔を見ることなく商売を行っています。優良顧客と悪質な顧客の違いが分からないなか、この見えない取引相手のごく一部に、“招かざる顧客“が潜んでいます。

そして困ったことに、もし「炎上」を起こさないことだけを念頭に対応すると、招かざる顧客はより一層の攻撃を加えてくるのです。

顧客の怒りに火を注ぐのは、多くの場合、スタッフの不適切な対応です。

たとえば、普通の問合せを受けているのに、自信なさげに、電話の対応をするオペレーターや、相手のことをはなから疑ってかかるオペレーター。話し方一つで、顧客を疑っているように伝わることがあります。

そういうオペレーターにあたると、とても不愉快に思えることがありますね。
今、「その話をするために、電話したのではないのに…」「なぜ、全く関係の無い質問をするのだろう???」などなど。

モンスターを育ててしまう社員は、自分自身が原因とは考えていないのがとても厄介なのです。だからと言って、オペレーター個人が悪いかというと、そうとも言えないこともあります。毎日連絡してくる顧客のほとんどが、もし「苦情・クレーム」の顧客であった場合、人はどうなるでしょうか?

それがたとえ少数であっても、影響力の強い事象が続くと、「顧客」=「厄介なもの」という認識が芽生え始めます。いわゆる「認知バイアス」によって、意識が偏ってしまうのです。そして対応がおろそかになり、そのおろそかな対応に反応した顧客が、より一層クレームに走ることになります。

また、相手が自分より知らないと勘違いして、おせっかいに「教えてあげる」のも良くありません。

あるオペレーターが、顧客が熟知している内容にもかかわらず、さも知らない人に諭すような文章を書いて、炎上させてしまったことがありました。たとえ正しくても、余計なおせっかいであって、改めて言われると途端に腹が立つ。多くの人が、そう感じるのではないでしょうか?

一度、燃え上がると、火を消し止めるのは簡単ではありません。
燃え広がらないようにだけ気を付けながら、排除するしかない場合があります。

 

優良顧客とモンスタークレーマーが、“紙一重”の差しかない理由

ところが、苦情やクレームがゼロになればよいかというと、実はそうではありません。「RFM分析」という、顧客セグメンテーションの有名な考え方があります。

「Recency」(最終購入からの経過日)・「Frequency」(今期購入回数)・「Monetary」(今期売上)の3軸で顧客を分類したうえで、短期間で、回数多く、たくさん売上に貢献してくださっている顧客が、RFMでは優良顧客となります。

しかしながら、不正購入者の特徴も、このRFMでいう優良顧客と似ています。短期間で、回数多く、たくさん売掛を作る顧客。後払い決済でいう、不正購入のパターンになります。

このような顧客とは、本来付き合ってはならないのですが、一歩間違えると、本当の優良顧客を離脱させてしまうことになります。この違いは、情報システムでは見分けが付きません。

モンスター顧客の厄介なところは、苦情・クレームでも初めは優良顧客と同じ顔をしてやってくるところです。優良顧客とモンスターの違いは、紙一重なのです。

優良顧客のほとんどは、継続して買うことで感謝を伝えてくれています。真に優良顧客といわれる人達は、見えづらい存在です。
(逆に「苦情・クレーム」をいう顧客の方が、わかりやすく連絡してきます。)

 

苦情・クレームを、“ゼロ”にしてはいけない理由

さらに、苦情・クレームは企業の健全性をはかるバロメーターであると、割り切る方法もあります。なぜなら、あまりに強引に撲滅運動をしようとすると、無理な抑え込みが発生したり、売上が下がったりと、気づかないところで2次的な被害が出るからです。

苦情・クレームから学ぶことが、企業にとってとても有効な場合が多くあります。さらに、商品がまだ売れていない時には、苦情・クレームはないと言っていいでしょう。

逆に、売上を伸ばそうと努力されている場合、必ずと言っていいほど、外部からの攻撃が始まります。つまり苦情・クレームは、企業が成長するときに反作用として必ず発生する現象、と捉えることもできるのです。

重要な問題は、本来襟を正すべき「苦情・クレーム」の中に隠れる、招かざる顧客=「モンスター要求者」の存在を認めることです。「モンスター要求者」の存在を知らなければ、「苦情・クレーム」は苦手意識が芽生えるメカニズムにしかなりません。苦情・クレームをMECEな状態で(=漏れなくダブりなく)考えるとき、やはり優良な苦情・クレームとモンスタークレームに分かれます。

 

苦情/優良顧客 クレーム/優良顧客 モンスター要求/悪質顧客
不満や不公平に対し改善を要求する行為。 ケガや被害を受けたことに対し、代償や保証を要求する行為。 不当に要求を行う行為。自分の価値観を強要する行為。
然るべき対応をする お断りする

それぞれの事象によって、対処方法を変える必要があります。

予防・対策(仕組みの強化)と、事故発生時の対応(人の強化)に分けて、詳しく見ていきましょう

 

モンスター顧客への予防・対策で必要な、2つの観点

予防・対策の1つは、想定されるリスクを洗い出し、それによって今のルールを見直すことです。この時、現行のルールに論理矛盾が生じていないか?を確認してください。

会員規約には、「送料は顧客負担」と記載しているのに、WEBの「よくある質問」には、「送料は5,000円以上無料」と記載してある、など論理的な矛盾が生じていることもよくあります。突っ込まれないように、見直してください。細かいですが、文言を統一することも重要です。

運送会社を、「宅配便」「宅急便」「やまと」「クロネコ」…等、記載しているたびに文言がバラバラになっていると、顧客が混乱するのはもちろん、いざという時に、何について指しているのか、わからなくなってしまいます。

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もう1つは、データの分析です。

さまざまな角度から、データを分析することで、常に状態が健全か、理解する方法を決めておきます。定点観測を行うことで、さまざまな発見があることでしょう。またデータを分析すれば、認知バイアスがかからないようになります。しっかりとデータを見ることで、事象は等身大に見えてきます。

テキストデータの分析には、テキストマイニングが有効です。テキストマイニングには、ちょっとしたコツみたいなものがあります。高度なツールを使いこなすためにも、まずはご自身で行うことをお勧めしています。

 

クレーム発生、初めの10分で聞き取るべき「6W3H」

予防策でしっかりと対応できている場合、たとえ事故が発生したとしても、ほぼ100%対応はできます。弊社では、今まで100%対応してきました。想定されるリスクであれば、対処方法も想定できます。

もし、苦情・クレームの連絡があった場合、初めの10分が肝心だと言われています。相手が連絡してきたとき、初めの10分で、内容や要望に矛盾点がないか確認してください。

この10分を逃すと、聞きづらくなる場合もあります。
相手が、いくら怒鳴ってきたとしても、自信を持って対応してください。初動対応の時には、聞けることを聞き、時系列でまとめ、矛盾がないかを確認します。

苦情・クレームに遭遇した場合、メモをきちんととってください。本当に困っている方なら、矛盾点は起きません。

5W1Hと言うのはよく聞きます。最低限5W1Hが必要ですが、できれば、6W3Hぐらいまで聞き出すコミュニケーション力を持っていてください!!

 

初動で聞き取るべき「6W3H」
What 何を 仕事の内容、種類、性質、分量
Why なぜ 意義・目的、動機、理由、狙い、背景、必要性
Who 誰が 組織、担当、グループ、中心人物、役職、人数、主人公
Whom 誰に 相手、関係、人数
When いつ 着手時期(タイミング)、期限、時間、納期、スケジュール、季節、頻度
Where どこで 場所、位置、職場内外、屋内外、出先、舞台
How どのように 手段、方法、段取り、テクニック、進め方、期待度
How much いくら 数量、予算、単価、範囲
How many どのくらい 規模

初動対応のときに聞き取るべき内容をまとめて、対応シートを整備しておくのも、良い方法です。スタッフがいつも手元においておくようにすると、素早く対応できるでしょう。

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「誠意を見せろ」「上司を出せ」に対抗する、4つのテクニック

初動対応でもおさまりがつかず、モンスタークレーマーと対峙していると、「誠意を見せろ」「上司を出せ」など、高い確率で言われる文句があります。ここでは軽く、モンスタークレーマーに対抗する、テクニック的なものを記載しておきます。

 

誠意を見せろ!

「誠意を見せろ」という言葉がありますが、本当の誠意は気持ちです。誠意はお金やサンプル、値引きでは決してありません。モンスターになる人の多くは、誠意はお金だと勘違いしているのですが、お金や商品を持ち出されたら、断りましょう。ある意味、恐喝の世界です。基本的に「当社では応じかねます。」ときちんとお断りしましょう。「貴重なご意見ありがとうございました。」で終了です。

 

謝り方

相手の状況が分からない時点で、「申し訳ありません」と非を認めたような謝り方をすると、交渉ができなくなる場合があります。まず謝らなければならない場合は、「ご迷惑をおかけしております」と伝えてください。ただし、自社に非が有ると感じた場合は、心から謝ってください。ここにはマニュアルは要りません。とにかく誠意をもって対応してください。

 

最大の譲歩

最大の譲歩は、キャンセルに応じるか、交換に応じることです。ただし、自社に非が有る場合で、相手に損害を与えている場合は、この限りではありません。モンスターには、基本的に「0回答」です。

 

上司を出せ

これは相手が怒っている時によく出る言葉ですが、苦情・クレームの鉄則として、絶対に上司に代わるべきではありません。何故なら、上司が出た途端、情報がないまま、決断させられるからです。ただし、1次対応したスタッフが、先ほど述べた「モンスターを育ててしまう社員」であれば、慣れた同僚と変わりましょう!

このように、苦情・クレームへの予防・対策(仕組みの強化)および事故発生時の対応(人の強化)の両面から、しっかりと準備をしてみてください。
モンスター顧客を寄せ付けない、強いネットショップをつくることができます。

ネット通販におけるリスクは、苦情・クレームだけではありません。
不正な返品や後払い決済への未払いへの対応など、リスクマネジメントのイロハをまとめたeブックをつくりました。

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無料eブックの内容抜粋

・優良顧客とモンスタークレーマーが、“紙一重”の差しかない理由
・クレーム発生、初めの10分で聞き取るべき「6W3H」
・「誠意を見せろ」「上司を出せ」に対抗する、4つのテクニック
・優良返品とは異なる、悪意ある「モンスター返品」とは?
・不正な顧客を許さない魔法の言葉、「当社の規程により販売できかねます」
・なぜ後払い決済を導入すれば、売上が伸びるのか?
・優良顧客だけに後払いで販売、未払いリスクを抑えて売上を伸ばす方法
・収益を左右する、「HRCM」(High Risk Customer Management)とは?
・リスクマネジメントと収益拡大が、密接に関係しているメカニズム

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